大石産業の墓石は、当社専用として採掘場で吟味された極上の庵治石です。これは、全産出量の0.4%。その中からキズや黒玉・白玉・ナゼを除いてカットします。なおかつ色や目合い、斑のパターンなどを揃えるように選別・吟味してから加工されます。そうすると、原材料のうち、製品となるのはわずか3%程度になってしまいます。それぞれの部材が完成した後の乾燥チェック・仮組み段階でも、色合いなどが違う場合は、再び原石から採り直します。このように、原石から製品が完成するまでには、いくつもの工程を経て吟味に吟味を重ね、永年の屋外環境に耐えられる高品質のお墓をつくりあげているためです。
低価格の庵治石については、さまざまな理由があると思われます。採石場から加工業者が原石を仕入れる段階で、色・目合い・斑の浮き方等々によって極上クラスから外れる原石も多くあり、昔から上等・並と等級分けされているために価格差が生まれました。また、墓石用の他にも灯籠用、地蔵用、石垣用とグレードが分かれていました。現在流通している中には、昔なら墓石に使われなかったクラスのものもあるようです。
庵治石の表面に浮き出る斑点状・郡雲状の色の濃い部分を指して「斑(ふ)」と言います。全ての庵治石に出るわけではなく、天然の石肌の模様ですから、そのパターンも一定ではありません。
天然の庵治石の斑は消えません。石によっては薄くなることもありますが、雨などによって濡れると浮き出てきます。
非常に緩やかな変化ではありますが、若干白っぽくなる傾向はあります。また、合成洗剤やお酒などが墓石に付着した場合、それらの成分によって色が変わることもあります。
庵治石には鉄分を含んでいる部分が稀にあり、その部分を取り除かずに製品化したものはサビが出て赤くなることがあります。しかし、サビの出現の大半は予測できるものです。しっかりした加工業者が製造したものは、サビの出る可能性がある部分を取り除いて使用するため、心配は少ないでしょう。
庵治石は、大別すると2種類あります。文字どおり目が細かい「細目」と、少し目が荒く細目に比べて白っぽく明るい印象の「中目」に分けられます。さらに細目の中で極上・上等・並と等級分けされています。それは、採れる場所(丁場)や時期が異なると、石全体の色目(青み、黒み等)や斑の有無・浮き方(濃さやパターン、均一性)によって良し悪しが分かれるからです。
たくさんの販売店を廻られて、いろいろな庵治石を実際に見られることです。天然の庵治石は一つとして同じものがありませんから、たくさんの中から好みに合うものを吟味していただくのが一番です。同時に、それぞれの販売業者の説明も充分に比較検討されることをおすすめします。
販売店の商品は、どんな加工業者から仕入れるかによって庵治石の質が全く変わる場合があります。例えば、一口に庵治の加工業者といっても、全ての加工業者が採石業者から良い原石を均等に供給されているわけではありません。当然、庵治石を多く扱っている加工業者なら優先的に良い庵治石が入ります。気になる部分の取り替えや、色合わせの相談などにも応じてもらいやすく安心でしょう。そうした加工業者を選ばれることも良い庵治石を手に入れる秘訣ではないかと思います。