唯一無二の石
庵治石は、石目が細かく青みを帯びた細目(こまめ)と石目が粗く淡い色合いの中目(ちゅうめ)に大別されますが、細目の中にもさまざまな石目や色合いのものがあります。自然の産物である石に一つとして同じものはありません。
気品ある神秘の斑
細目の中には、まるで濡れたような光沢がある石肌に、二重がすりを思わせる斑(ふ)模様がふわりと浮きあがるものがあります。この斑が浮くという現象は庵治石だけの現象で、地質学でも解明されていません。
厳選した原石のみ
大丁場は断層が多くてキズを避けるのが難しく、断層ごとに違う色目や石目を合わせるのが困難です。切削時に中からキズが出たり、研磨後に印象が変わることも多く、墓石として製品化されるのは、あらゆる工程で厳選されたごくわずかな原石だけです。
五百年残る文字
結晶が緻密に繋がり、硬くてねばりがある庵治石。加工が難しく「職人泣かせの石」と言われる反面、細かな彫刻を施すことができます。吸水性が低く風化・変質に強いため、五百年前の文字が残る例もあるほどです。
職人のカンを検証
香川県産業技術センターと共同で、研磨した大丁場の石を電子顕微鏡等で検証しています。庵治石特有の斑や深みのある光沢を生み出す職人たちの研磨技術を後世に伝えようと研究を重ねています。
永く強く美しく
いつまでも強く美しい最高級庵治石を生み出すために、大丁場の庵治石製品を用いて、特殊な紫外線ランプによる2000時間の紫外線照射試験で耐候性実験を行い、加工に生かしています。